島のLife Line。

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多度津の港から小さな船で1時間。

その島には何もない。

コンビニもなければ、自動販売機もなく、
学校もなければ、レストランも酒場もなく、
信号もなければ、駐在所もない。

あるのは波の音と、鳥の声と、
夜になると現れる星だけだ。

なにせ人よりも猫のほうが多く、
家族の暮らしより空き家のほうが多い。

しかし蛇口をひねれば水はでるし、
スイッチを入れれば電気もつく。
スマートフォンはつながるし、
海辺の廃校を利用したホステルには
Wi-Fiも飛んでいる。

海底を水と電気と通信のLineが走っている。
しかし時が経てばLineも劣化する。

そのメンテナンスをする仕事を取材した。

Life Lineということばがあるけれど、
まさに島の暮らしと命と風景を支える仕事。
おかげさまと頭を下げたくなる仕事だった。

かけがえのない仕事は地味で、
そしていつも汗まみれだ。

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四天王寺さんの古本市へ

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朝、目覚ますと天気がええ。 

四天王寺さんで古本市をしてることを思い出して、午後の予定を変更して出かけました。

買い過ぎないように上限を決めて向かったものの、本の川を目の当たりにすると屁のつっぱりにもならず、トートーバッグはずっしりと肩に食い込む始末。

しかし気候といい、状況といい、BGMに選んだ初期の〝Crosby, Stills & Nash〟は驚くのほどのはまり具合でした。

 

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蒸留所の名がないウイスキー

 

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フランスにおいしいウイスキーもあるのですよ。そう告げるとちょっと驚いた様子のあとで、フランスのウイスキーかねと猜疑の影が目の隅に浮かぶ人を何人もみてきた。
「ミッシェル・クーブレイ」。ベルギーの出身だけれど、フランスのブルゴーニュ地方に本拠地を置くワイン商。しかし彼はウイスキーの魔力に取り憑かれてしまった。しかもスコットランド人ではないので、本場の伝統や慣習から自由だった。だからこそウイスキーの味わいを決定づけるのは蒸留所ではなく樽そのものだという信念を実行に移せたのだ。
大麦を育て、スコットランドで蒸溜した原酒をフランスのブルゴーニュ地方「ボーヌ」にある自身のカーヴへ運び、最高品質のシェリー樽でゆっくりと熟成させる。商業的な生産性には背を向け、評価や人気を気にすることもなく、趣味人の究極の遊びのようにウイスキー造りに没頭する。製造過程で国をまたぐためにスコッチ法の決まりで熟成年数を記載できず、蒸留所の名もスコッチという表記も許されない。
パリに滞在中、宿の近くのワインショップで彼のウイスキーが並んでいるのを発見したときは血が熱く騒いだ。試飲させてくれるという。ゆっくり流し込む。熱い航路が消えると咽喉の奥からナッツやフラワーなどさまざまな香りが立ち上がってくる。ちょっといい値段がしたけれど、ウイスキーはワインと違って1日で呑みきる必要はない。そう自分に言い聞かせて何本か購入した。
日本に帰ったら、冷え込んだ夜、好きな音楽を聴きながらゆっくり呑ろう。昂ぶる期待がわたしにおおきな過ちを犯させた。帰国のとき、割れてはいけないと思い、手荷物のバッグのなかにしまってセキュリティーを通ろうとしたのだ。気づいたときは後の祭りだった。液体は持ち込み禁止。くいさがったけれど保安検査官に聞く耳はなかった。
「プレゼント・フォー・ユー」
精一杯の負け惜しみを込めて保安検査官に渡した。彼はニコリともしないで2本のボトルをゴミ箱へ投げ入れた。

 

文庫本とウイスキーをポケットに入れて 1

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発売1ヵ月で重版決定!

 

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大阪のタクシー会社の社長・坂本篤紀さんの初めての本、
「維新断罪」の制作のお手伝いをしました。

大阪がコロナ禍で死亡率No.1になった理由、
交通事故死者数全国1位になった理由、
公務員パッシングの根底に潜む政治手法、
大阪維新が進めるIR構想の不都合な真実、
メディアに登場する府知事の胸のマークの違和感、などなど、
日々懸命に生きる中小企業社長が喝破しています。

一時は、Amazonの売れ筋ランキングで
政治の分野で1位(安倍前首相の本を抜いての1位)!
総合でも20位にランクイン。

かげさまで重版が決定しました。
ありがとうございます。

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『維新断罪』発刊記念イベント、無事終了。

 

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大阪のタクシー会社の社長・坂本篤紀さんの初めての本、
「維新断罪」の制作のお手伝いをしました。

その発刊を記念したトークライブ。
「まだ維新を選ぶのか?」。

たくさんのご来場、ありがとうございました。
進行役を無事に務めることもできました。

考えやなあかん。
声をあげつづけなければあかん。

面白さの中にも
啓蒙や気づきがたくさんあって、
笑ったり、唸ったり。
進行しながらもさすがのおふたりだと
感心しきりでした。

この日の模様は
会場の梅田ラテラルさんから
有料配信されるようです。

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古本とラジオ。

 

劇場で「丘の上の本屋さん」、
試写会で「午前4時にパリの夜は明ける」を観た。

前者は古本、後者はラジオから
主人公とまわりの人の人生が描かれていく。

人生ははかなくも、美しい。

しあわせは遙か彼方の、
目を凝らさなければならないところにあるものではなく、
ほんの身近に、
近すぎて気づきもしないところにあるんだとしみじみ思う。

その夜の1杯は、美味しかった。

 

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軍艦島へ。

端島、通称軍艦島へずっと行きたいと
事ある毎に企画をあげていて、
今回やっと実現した。

初日は船は出航したけれど、
波が2cmほど条例規定より高くて上陸できず。
2日目は波も収まり、なんとか上陸することができた。

長崎半島から西へ約4.5km。
1810年に石炭が発見されてからは
佐賀藩と、後にイギリス商人グラバーが参加して協同で開発。
やがて三菱重工業の手に渡り本格稼働した。

周囲1.2キロほどの岩の島に
最盛期には約5,300人もの人々が住んでいて、
人口密度は当時の東京の9倍!

海面下1,000mももぐり、
温度30度、湿度95%の暗闇での採掘は
肉と骨が軋む、危険で過酷な労働だったのだろう。
軍艦島の住民の所得は、
当時の日本の平均所得の2倍から3倍だったという。

この島には植物はどこにもなかったけれど、
その時代にどの家庭にも
すべての電化製品が揃っていたという。

一方で、災害、事故、争い、喧嘩が多く、
命を落とす人も多かった。

戦後の日本の復興のエネルギーは、
この過酷な労働が支えていたことは、
瓦礫の山と化した現在の姿からは伺い知る術もない。

あるのは冷たい海風だけ。
聞こえるのは風と波の音だけ。
まさに強者どもが夢の跡・・・である。

現在は崩落の危険があって、
島の一部の空間しか立ち入ることはできない。

いちばん古いとされる30号棟は
大正5年に建てられた、日本最古の7階建ての
鉄筋コンクリート造の高層アパート。

しかし劣化と風化が激しく、
最近の診断では余命1年。
来年の今頃は姿を消しているといわれた。

ところで余談だけれど、
映画「007スカイフォール」で
軍艦島が登場していると教えられた。

映画を見直すと、
実写とセットをうまく組み合わせている。

興味のある方は、ぜひご覧を1_20221224074001 2_20221224073801 3_20221224073801 4_20221224073801 5 6 7 8

 

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FM COCOLO「ラジオ・シャングリラ」公開収録ゲスト出演。

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こちらも情報解禁となりました。

語り手、立川直樹 書き手、西林初秋
「音楽の聴き方」の出版を記念して、
「ラジオ・シャングリラ」の
公開収録が決定いたしました。

1月23日(日) 14:00〜
心斎橋の「Brooklyn Parlor OSAKA」にて。
FM COCOLOのリスナー70名様をご招待。

前回に引き続き、
ゲストに呼んでいただきました。

時間がある方は、
ぜひ、ご参加ください!

お申し込みは、こちらからお願いいたします。

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移動日。

 

今日は、山形から新潟への移動日。

移動日、
なんて響きのいい言葉なんだろう。

朝からチェックアウトまで
ホテルの部屋で仕事をしたから、
移動中は仕事をしないと決め、

パソコンはキャリーケースにしまっている。
スキットルには
馴染みのバーテンダーが
最近バランスがよくなっているといった
ジョニ黒を入れてきた。

でかける前に
なぜか「トニオ・クレーゲル」に手が伸びた。

文字が小さい昔の文庫本を再読しながら、
ウイスキーをちびちびとやり、
目がつかれたら
小さな嵐に濡れた田舎の風景をみて、
ほっと吐息をつく。

汽笛が鳴いた。
遠いあの日のことが思い起こされた。

目的地までは、
あと、3時間10分ほどだ。

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FM COCOLO「RADIO SHANGRI-LA」へゲスト出演。

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本日、16時から放送の
FM COCOLO「RADIO SHANGRI-LA」は、
先日の枚方T-siteでの
公開収録の模様をオンエアー!

西林初秋もゲストで出演しています。

ぜひ、お聴きください。

RADIO SHANGLI-LA

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