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笑いのロングテール。


毎年、クリスマス前はM1、
ということがすっかり定着した。

さて、今回の優勝は
敗者復活戦からたちあがってきた
サンドウィッチマン。

決勝戦を見る限り、
とくに目新しい部分は少ない。
トータルテンボスほど
ネタの展開が激しいわけでなく、
キングコングほど
勢いがあるわけでもない。

どちらかというと
オーソドックスである。

しかしネタの運びは抜群だった。
喋りのテンポ、ニュアンス、
間にも文句のつけようがない。
おそらく、誰もいない楽屋で、
夜の自宅で、ネタを繰った回数は、
決勝出場者のなかでも
ダントツなんだろうと想像できる。

さらに私が着目したのは、
サンドウィッチマンだけが
客に媚びることが皆無だった点。

トータルテンボスは
つねに客の反応を上目で伺っていたし、
キングコングにいたっては
途中でメタが入ってしまった。
サンドウィッチマンだけが
淡々とネタを運んで笑いを生んだ。
職人のように・・・、昔の芸人のように・・・。

客に媚びない、客をいじらないことは
昔の芸人の不文律だった。
不文律だったと過去形になったからこそ
現在の漫才の中では新鮮に映ったということか。

敗者復活戦は
大井競馬場に駆けつけた
観客の投票によって決まるときいた。
見る限り、玄人より素人が大半を占める客層。
そんな市井の客に勝者を選ばせるなんて、
この仕組みはある意味、
お笑いのロングテールだと思えて、
捨てもんじゃないなと思ってしまう。

それにはいいもの、本当のものをみつける目は
玄人や専門家だけではなく、
市井の観客にもあると肯定する姿勢が
なければできない仕組みで、
ある意味、2.0以降のwebの世界と同じだと
うれしくなってしまう。

スポットライトやテレビに出ている者だけでなく、
その筋の人からみると“死に筋”のニッチな芸人も
いいものなら市場はまどわされずに一票を投じるのだ。

そして選ばれたサンドウィッチマンが
専門家の審査による決勝戦を
見事に勝ち抜いたということは
市井の選ぶ目の確かさを
改めて再確認させる結果になった。

サンドウゥチマンの勝利が決まって、
トロフィーを受けたあとで、
二人が控えめに握手を交わした姿が
印象的で忘れられない。

苦労してきたんだろうな。
結構、歳を重ねているはずなのに、
あきらめずによかったな。

だから笑いの神様を、
その日、ふたりの元に降りたのだろうし、
その苦労が、損得勘定などに左右されない
市井の人の目にとまるだけの
芸の糧になったんだろうな。

よかった、よかった。
これからのサンドウゥチマンに幸あれ!

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