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2009年4月

蛇の足、6。

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淫乱齋英泉。

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翌日の東京でのプレゼン作業をちょっと抜け出して、西宮の兵庫県立芸術文化センターへ。田中美里さんが出演している「淫乱齋英泉」を観劇した。


矢代静一の浮世絵師三部作(他に『写楽考』『北斎漫画』)の1作品。英泉という浮世絵師を中心に、人間の業を剥きだしあう主人公たち。そのぶつかり方が痛烈で、痛快で、自分の中でみないようにしよう、隠そうと隅に追いやっている部分がぐんぐん元気になって前へでてくる快感も湧いてきた。論理では整理できないもの。倫理からははみ出すもの。法律や道徳では認められないもの。そんなものを持っているのも人間で、だからといってその部分を剥きだしにせざるをえない人間を否定してはいけないんじゃないかな。確かに、家族にそんな人がいたり、会社にそんな人がいたりすると困るとは思う。だから社会は法や掟や躾なんかをつくって、そんな人やそんな気持ちを排除しようとするのだろうけれど、それでもそんな部分を押させ込めずに、つい剥きだしてしまうのも、また人間なんだと思う。少なくとは私は物書きの端くれで、表現者の一人だから、道徳者や宗教者ではないので、人間の業を肯定する立場にたつ人でありたい、そんなことを思いながら事務所へ戻る。


プレゼンの作業はまだ、進行中で、最終の確認を終えたのが12時過ぎ。事務所のH君、デザイン会社にみなさん、ありがとうございました。


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日本酒、日本酒、日本酒。


家に日本酒がたくさんあるので、飲み比べの会でもできたらと思うのですが。桂吉坊ちゃんから相談があった。それが月曜日。すぐ友人のバーテンダー・立山氏に事情を話すと「ええよ、使って使って」とありがたい言葉。翌日の火曜日の8時から、吉坊ちゃん人選による飲み会が「バー立山」の一角を借りて開かれた。


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立山氏は日本酒のために前の日本料理屋からお猪口や器をかりてきてくれたり、もちこんだ一品を盛りつけしてくれたり、会場費も払っていないのに、本当に良くしてくれた。感謝、感謝、感謝です。


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そしてその飲み会、いや、集まった、集まった。俳優さん、映画監督さん、 能楽師さん、某劇場勤務の方、着付け講師さん、大工さん、義太夫語りさん、胡弓奏者さん、長唄演奏家さん、上方舞の方、そしてイラストレーターさん。たくさんの出会いがあって、いろんな話に花が咲いて、またたく間に時間は過ぎていく。


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飲み会終了後は、松尾貴史さんと新地へ。「バー際」でハイボール。その後、「香川」でカレーうどん。本当によく飲み、よく食べ、よく喋った夜でした。

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牛タンとウイスキー。


昔、事務所の近所にトタンの掘っ立て小屋ができて
30歳前の若者が「たん屋」という看板を掲げた。

牛タンの店だった。
それもとびきりの牛タンを
食べさせてくれる店だった。
大阪市内に数多くある、
ポテトチップのように薄い
ヘラヘラの牛タンとは一線を画する、
肉厚で、火の通りと噛み切りやすいように
切り目がはいっている、
これぞタンと言いたい牛タンだった。
噛むほどに脂の甘さと肉汁が
口いっぱいに広がって、
麦飯が進んだ、進んだ。
その若者は無愛想だったけれど、
二日酔いの午後などは、
透明なテールスープと白菜の漬け物で
ごはんを少し、なんて注文にも応えてくれる
温かさをもっていた。

ある日、宮城沖地震が起こると
仙台がタイヘンなことになっていると
若者は軌道に乗りかけた店をたたんで
ふるさとへ帰ってしまった。
それっきり肉厚の本格的な牛タンを食べる機会は
なくなってしまった。

取材で宮城峡の蒸溜所の撮影と取材が
決まったとき、まず思ったのは、
牛タンをたらふく食べようということだった。

朝一のJALで仙台へ入って、
ますは一番町の「味太助」へ。
知る人ぞ知る牛タン料理発祥の店だ。
肉は厚い、切り目も入っている。
ホント、なつかしくて、うまかった。


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午後から蒸溜所へ。
本格的な撮影は明日なので、
今日は取材とロケハンがメイン。
たっぷりとした午後の光を受けながら、
窓辺で宮城峡のシングルモルトをいただくと
これが本当に仕事なのかと
ちょっとした罪悪感と
たまらない喜びがこみ上げてくる。

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終了後、代理店の方が寿司でもと
おっしゃってくれたけれど
丁寧にご辞退して、めざすは牛タンです。
「きすけ」でタンとうふ、タン刺し、タン焼き。
絶品でした。


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100%の夕陽と、ほぼ100%の夕陽。


夕陽と夕映えの光景が好きで、めぐりあうチャンスがあればシャッターを切るようにしている。


いままでみた夕陽で一番好きで、100%の夕陽だと思うのは、映画『能登の花ヨメ』の撮影の時、輪島は門前でみた夕陽だった。気がふれると思うほど美しかった。撮影終了後は、撮影監督の山本さんも、スチールの人も競うように夕陽を撮っているのが可笑しかった。それが下の画像。


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そして昨日、月刊誌の取材で訪れた淡路島で、久しぶりに素晴らしい夕陽に巡り会った。ほぼ100%に近い夕陽。打ち寄せる波も夕陽色にそまって、それはそれは幻想的な一瞬でした。


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