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社長、お疲れ様でした。


大学を卒業して、就職した会社で、いまのカミサンに出会って、恋をして、半年後には結婚式をあげることになった。こんな小さな会社に夫婦で働いてもらっては困るとその会社を追い出されたのが9月。結婚式は3ヵ月後。そんな私を拾ってくれたのが、アンクルという広告制作会社、面接をしてくださったのがS社長。煙草が好きで、いつも左手には煙草があった。酒が好きで、夕方になると水割りを飲み始めていた。新地が好きで、よくスタッフを連れてはにぎやかに夜を楽しまれていた。


今日、子供と温水プールへ行って、帰ってくると、訃報が届いていた。今朝、S社長が亡くなった。肺がんだった。


私はアンクルというプロダクションで5年と半年、コピーライターの修業をつんだ。そして独立をした。30歳の時だ。お世話になったアンクルからの仕事はあてにしない。アンクルで担当していた仕事ももっていかない。誰に言われたわけではないけれど、そんなことを自分に課したのは、引き留めてくださったS社長へのお詫びと、お世話になったS社長へのせめてものお返しだった。


それから17年。アンクルにもいろいろなことがあって、私にもいろいろなことがあった。でも、まさか、こんなに早くS社長が逝くなんて。今夜のお通夜。水割り片手の遺影を眺めながらS社長がいなければ 、コピーライターとしての私は生まれなかったことに改めて気づくと、涙がこぼれた。


S社長、お疲れ様でした。今夜の酒は、少し苦いです。

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